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草花は学校から帰るとすぐにバスに乗って、父と母のいる病院にいった。
ガラガラッ
「たっだいまー!!」 いつものように病室にはいると、父も母もなぜか普段と違う笑顔だった。
放射線治療が効いて腫瘍が小さくなっていると
医師から言われたらしい。
お父さんの首にはいつも包帯が巻かれている。
放射線を何回も同じ所にあてて、皮膚が黒く焼けたようになっているからだ。
「いつもお父さんが頑張っているから、癌がよくなってるんだよ!!」
草花は心のそこから喜んだ。
そして父も
「このまま良くなったら、退院出来るなぁ」
枯れた声でいった。
お父さんが死ぬわけない!草花はいつも心の中でさけんでいた。
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