満天の星空、

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満天の星空、

  ヒロさんどこまで行くの、こんな峠を走って何があるの。私が喜ぶ物が山深い場所にあるの。     朋美、もうすぐ着くよ。期待していいよ。必ず、喜んでくれると思う。     午前1時、大台ヶ原の展望台に着いた。   辺りは真っ暗、街灯一つ無い。      朋美、着いたよ。車から降りようか。     ヒロさん、真っ暗だよ。何があるの。     朋美、空を見上げてごらん。     満天の星空が広がる。流れ星が幾つも流れる。     凄い綺麗ね。星が私達を包み込んでいるみたい。ヒロさんありがとう。    朋美、車に戻ろうか。少し冷え込んで来たから。     俺達は、車に戻った。   朋美は、一つ鮮やかに輝く星を見ている。 黙ったまま。     ヒロさん、あの一つの星輝いているから     朋美、それ以上言わないでいい。君が言いたい事がわかっているから。     朋美の柔らかい手が、俺の手を握り締めていた。  朋美の瞳から、一筋の涙が流れ落ちた。
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