君に逢えて。

事故

　
４日後のお昼前、朝の忙しさも落ち着いていた。　
お店の向かい側に、幼い子供が一人で居る。

道に出て来そうだった。　

俺は、お店を飛び出した。

車が一台走ってくる。

その子供は、道に出て来た。

車が迫ってくる。

俺は子供を抱きかかえると同時に、意識がなかった。

車は急ブレーキを掛けたが間に合わず、俺とその子供を跳ね飛ばした。

子供を抱きかかえたまま、倒れている。

目の前で車に、跳ね飛ばされたヒロ。
今、自分の前で何が起きたのか分からなかった。
道に倒れているヒロを見ていた。
何度も何度もヒロの名前を呼びながら、ヨタヨタしながら近づいていった。
抱きかかえて、ヒロこんな所に寝ていると駄目だよ。
帰ろう。ヒロ起きて、嫌ぁ～ヒロ起きてお願いヒロ誰か助けてお願い。

サイレンの音が近づいてくる。

私の涙がヒロの頬に落ちる顔をさすりながら、もうすぐ来るよ、私の為に頑張って。お願い死なないで。

病院に着き、緊急手術が始まった。
１３時間を超える手術が終わった。

奥さんですか、旦那さんの事ですが、意識が戻るか分かりません。

ヒロの病室に戻って泣いた。

毎日、病室に行って話しかけた。事故から１９日目、ヒロが目を明けてくれた。意識が戻った瞬間でした。