チャイム

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チャイム

いつもの日々が帰って来た。   粉まみれになりながら、ケーキを作る。   朋美は、接客をしている。 ただ違うのは、二人の仲をみんなが知っている事だ。   休みの日には、デートしている。    季節が進み、冬になり。  そして、クリスマスのシーズンになった。   クリスマス前の休みの日    朋美は、俺の家にいた。  クリスマス前だが。二人だけでゆっくり過ごす為に。   玄関のチャイムが鳴った。   朋美が出た。     あなたは誰、ヒロ君いるの。     朋美、その人を中に入れてくれ。   美和、久しぶりだな。 何の用だ、君とは3年前に別れたはずだが。     もう一度やり直して欲しくて戻って来たの。 この人は、誰なの。     何言っているんだ、美和が俺を捨ててあの男の所に、行ったんじゃなかったか。 今更、ヨリを戻せない。 この人は、俺の命の恩人。俺の大事な人だ。 真剣に考えている。     ヒロ君は、私を抱いてくれなかった。 本当に、考えてくれているのか分からなかった。私と同じように、この人にもしているの。     美和に言っていたじゃないか。 真剣に考えている人には、体が繋がるより。 気持ちが繋がる方が、大事なんだよ。って言ったはずだが。 俺を信じなかった。 この人にも、同じようにしている。     ヒロ君の事を、信じていたら良かった。 あの人は、二股掛けていたの。 もう一人のお腹に子供が出来たの。 私は、捨てらた。 どうしても、ヒロ君に逢いたくて来てしまった。      美和も知っているように、俺は両天秤掛ける事の出来ない人間だ。 この人を不幸にする事は出来ない。 今の俺の全てなんだよ。分かってくれるね。     あなた、名前は何て言うの。     朋美と言います。       ヒロ君は本気みたいね。朋美さんは、どうなの。あなたの気持ちを聞かせて。     ヒロは、大切な人です。今の私を後ろから支えてくれる人です。 訳あって、お話出来ませんが。 ヒロを愛している事は、間違い有りません。     分かりました。私が入り込む隙間が無いみたいね。そろそろ帰ります。 ヒロ君、朋美さんを幸せにしてあげて。さようなら。     美和は帰って行った。
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