君に逢えて。

桜

　
それ以降、君は姿を見せなかった。

冬が過ぎて、春めいてきた。

犬を連れて歩く散歩道には、つくしが出ている。

あの人はどうしているだろうと、ふと思った。

桜が満開になった頃。

一台のタクシーが、お店の前に止まった。

タクシーから降りて来たのは、朋美さんだった。

私をこのお店で働かせてくれくれませんか。

今まで勤めていた所を辞めて来ました。

このお店で働きたいから。

こちらこそ、お願いします。
明日から、接客をお願いします

今から働かせて下さい。少しでも、なれたいから。

わかりました。今からお願いします。

ありがとうございます。精一杯働かせていただきます。宜しくお願いします。

朋美がお店で働き始めた。