驚いて

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驚いて

  俺と朋美は、沖に向かい静かに手を合わせた。   車に戻る。ドアを開けると、一人の男性の声が聞こえた。   トモちゃんじゃないのか。   それは、虎さんでした。            ご無沙汰しています。今日は、彼の命日だから戻って来ました。     奴のお墓を綺麗にしてくれていたのも、トモちゃんじゃないのか。村の人で話していたんだ。   お茶でも飲んで行きなさい。そこの人もどうぞ。     朋美の知り合いの方ですか、どうもすみません。お言葉に甘えさせてもらいます。   虎さんは、俺の顔を見た。     トモちゃん、この方は奴じゃないのか。     違います。この人は大阪でケーキ屋さんをしているの。私は、そこで働かせてもらっているの。     俺達は、虎さんの家に行かせてもらった。   いきさつを話した。     虎さん、村の人には、黙っていて。彼の両親にも内緒にして欲しい。 その時が来たら、私が両親に話をする。     わかった。トモちゃん、必ずまた戻ってくるんたぞ。ヒロさん、トモちゃんの事をよろしくお願いします。元気で暮らすんだぞ。     俺達は、和歌山湯浅の港を離れた。
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