放課後の学校

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放課後の学校

【害のない、ごく普通の学生。 不特定多数の生徒の中その特に【普通】に紛れているのが俺 自分が普通だと言ってる時点でどうかとおもうけどね。 でもなんも特徴もない勉強も運動も容姿も恋愛も すべてが普通 普通の水準は誰もが違うし、天秤で計ることは難しいけれど 俺は俺の学生で居るための基準はすべて普通だと思う …けれども、職業が学生って肩書きがあるのはこの一週間で終わりだが。 決して退学、休学する訳じゃない。 俺は去年の春に高校三年生になった。 そして季節が巡りがきた春。 三年生で見る、二回目の春 それつまり…高校はもう卒業をさす。 来年からは日頃の行いが実を結んだためか推薦で割と上等な会社に就職する事になった。 …理由は簡単。 特に学歴にこだわりを持ってなかったのと 学生の頃で大した思い出が無いからだ。 特に後者の方が大きな理由。 友達が居ない訳じゃない、むしろ友好関係を結ぶ仲間は多いと思う。】 沁弥「………」 書き込んでいるシャープペンシルをプリントから放し、手を止める。 沁弥「やっぱ……訂正。」 俺はシャープペンシルを放し消しゴムを手にとり、一部の文章を消し、新たに別の文章を加える 行き場を失ったシャープペンシルはコロコロと音を立て転がった。 俺がいま、何をしたいのかが分からないから進学はやめた。】 沁弥「…これで決まりだな」 俺は早速、書き終えた文集を手にとり、クラスの教卓に無造作に置いた。 そう、高校生最後の課題。 高校生らしい、もの。 卒業文集として。
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