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原型砲である短十二糎砲は商船の自衛用に開発された簡易急造高角砲である。12口径の短砲身であり本車用にはマズルブレーキを備えている。短十二糎砲の最大射程は2400m、初速は弱装で200m/s、通常で290m/sと極めて低速であり、装甲貫徹力は小さいと言わざるをえない。駐退器は円柱状の物を砲身と同芯式に備えている。
榴弾による歩兵支援、敵陣地攻撃が本来あるべき役目だと思うわれるが、本車は生産時期からして、対戦車戦闘も考慮していたはずである。
むしろM4中戦車など連合軍の重装甲戦車に対抗するために少しでも大口径の火砲の搭載が必要であったから本車が作られたともいえよう。装甲を貫徹できなくても大重量砲弾の直撃により、敵戦車を行動不能にするなどダメージを与えることは可能であった。
専用の対戦車榴弾(成形炸薬弾)の存在は不明である。低初速であることから徹甲弾、徹甲榴弾は無かったものと思われる。車内容積が小さいことや12cm砲弾の大きさからして、弾薬の積載数はかなり少なかったはずである。実際に運用するとなれば、別に弾薬運搬車を用意するか、車体後部上面に予備弾薬を積む必要があったかもしれない。
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