第1章 凪子囮(おとり)計画

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小さな子供を持つ母親は、 みな同じことを思う。 早く寝返りが出来てほしいな…… 次はお座りが出来るといいな…… そして、歩けたらいいな…… お喋りできたらいいな…… オムツが取れたらいいな…… そしてやがて、 少しだけ自分の時間が欲しくなる…… ―――――――――― 娘の結衣が三年保育で初めて、 バス停デビューした時は、 ある意味カルチャーショックを受けたものだ。 園バスが出た後の、 永遠に続くのではないかと思われるような井戸端会議。 順番にまわってくる『お宅訪問』 更に月1の子供たち込みの持ち寄りパーティ。 玄関に入り切らない程の靴の数… しかしこの時とばかりに腕にヨリをかけないと、 主婦として評判を落とすことになる。 専業主婦とはいえ、 毎日のことだけにうまく立ち回らないと、 あらぬことを言われたりして つまらぬ目にあわされる。 夢中で頑張っているうち、 そんなバス停ペースにも慣れ、 凪子にもいつか気心の知れた仲間もできていた……  
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