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その日の放課後。
いつも通り音楽室を借りての、バイオリンの練習がおわり、明が片付けを始めようとしていた時
「へぇ~、けっこう上手いじゃん!」
勇が入り口で微笑みながら立っていた。
「そんな事ないよ……。
先生に言われた通りに弾けないんだ……。」
眉尻(まゆじり)を下げながら言った。
「ふ~ん……。ちょっとは自信持ってもいいと思うけどな」
「ムリだよ……。
僕の周りにはもっと上手い人ばっかりだから……」
「はぁ……あんたさぁ~なんでそんなに暗いわけ?
イライラするんだけど?」
「ゴメン……。
僕、友達いないんだ。
……だから、どうしたらいいかわかんなくって」
「何言ってんの?もう、私達友達じゃん!」
それを聞いて明は一瞬、きょとんとした後
「ホントに? ありがとう!
僕の一番最初の友達だね!」
優しい笑顔で笑った。
その笑顔はとても輝いていて、その後ろからは夕暮れ特有のオレンジの優しい光がさしていた、
(あぁ、この子はこんな風に笑うんだな)
と心が癒されるような感覚になった。
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