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「わ、待って楓!」
「まだなにかあるんですか?」
ため息を吐きながら子犬のような父をみた。可愛くたってこれは成犬だ。騙されちゃいけない。
父の考えはろくでもない。人は奇抜というけれど楓はそうは思わなかった。
「ものは相談なんだけどね……、」
そのとき立ち去っていたらとその話を聞いてどんなに思ったことか。
変な同情心が芽生えたせいで後悔先に立たなくなってしまうとは。
仕方ないと、何です?と問い掛けると父は満面の笑みで言ったのだ。
「明日、お見合いしてくれないかな?」
と。
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