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神野さんに断られてからも,あたしは神野さんを想い続けた。
想い続けてなにか変わるってわけじゃなかったけど…なんか満足だった。
気持ちが伝わらなくても想ってるだけでいい,そんな気分だった。
神野『あきらちゃん,そろそろ検査行くからね』
あきら『はぁい』
一言二言話せるのが幸せだった。
でも…少しずつなにか,変わってった。
神野さんがあたしのところに来る回数が減ったり
来たとしてもホントに仕事しかしなかったり
いつもは色んな話をしてくれてたのに…。
凄く寂しくなった。
だから…あたしは勇気を振り絞って聞いてみた。
あきら『神野さん…最近,忙しいんですか??』
神野『えっ…いや,あ,うん。忙しいんだ…』
あきら『…嘘でしょ』
神野『…っ』
明らかに神野さんは動揺してた。
あきら『神野さん…あたしの担当嫌になった??…あたしが迷惑なこと言ったから??…ゴメン,なさい』
言ってる間にあたしはショックで…涙が落ちそうになった。
神野『あきらちゃんのせいじゃないっ!!!!』
いきなりの神野さんの大きな声にビックリして,涙がひっこんだ。
神野『俺がっ…俺が悪いんだ』
神野さんは下を向いてて…表情は見えない。
あきら『…どうして??』
あたしは覗き込むようにして神野さんを見た。
その瞬間,暖かいのに包まれた。
よくみれば,神野さんの肩しか見えなかった。
神野さんに抱きしめられてた。
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