蛞蝓

2/3
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
目が覚めるとテーブルの上に置いていたハズのケータイが枕元にあり、新規のメール画面にそう書いてあった。 こんな訳のわからないメールを打った覚えはない。 まぁいい、たまにこんな日があっても面白いだろう。 さほど不思議がる事もせずに電気を消して再び寝ようとした。 暗闇の中で目を閉じ、疲れによって引き寄せられた睡魔に逆らう事なく目を閉じた。 暗闇の中、頭蓋骨の内側で脳みそがグルグルと掻き回されているようだ しかし気分は悪くない。 意識が遠くなる速度は普段より数倍早く、猛スピードで眠りの中へ入ろうとする。この状態がまた心地良い。 夢と現実の境目に差し掛かった時だった。 ヌメリンチョ 頬に粘液を塗り付けられた感触がして一気に目が覚めた。 驚いて頬に付いた粘液を振り払い急いで電気をつけてみると、一匹のナメクジがヌメりヌメりとベットの上を這っていた。 何故締め切ったワンルームになめくじがいるのか不思議だったが、現実に身を置く限り、それは事実であり受け止めるしかない。 ケータイで時間を見ると目を閉じて5分程しか経っていなかった。 そしてオレは更に不思議な事に気付いた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!