8人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
カーテンから差し込む日差しに、目覚めを強いられる。
カチッ
何時もより少し早い起床に目覚まし時計を止め、登校の準備に取りかかった。
「懐かしい夢見ちゃった…」
独り言をポツリと零し、洗面所へ。
『今日は早いな!』
「翼(ヨク)、また寝てないでしょ?」
翼と呼ばれた少年は、鞠唖にしか見えない幽霊のような存在。
『だってさ~ゲームやりっぱで…ふぁ~』
欠伸をする翼につられ、鞠唖も欠伸をしそうになるが我慢。
「今日の希望は?」
『ん~、ハムエッグ!』
「はいはい。」
顔もサッパリしたところで、制服に着替える為、自室に向かう。
「さて、今日はお弁当何にしよっかな~?」
『俺、卵焼き食べたい!』
「ちょっ…着替え中は入るなって言ってるでしょ!!」
壁から体を半分覗かせている翼に、手身近な物を手当たり次第に投げつける。
しかし、全て翼を通り抜け壁に激突。
『効かねー事くらい学習しろよな!』
「あんたこそ、学習しなさいよ!!」
『へいへい早くしろ~』
「まったく…」
鞠唖の両親は海外で仕事をしている為、ほぼ1人暮らし状態だったが、気づいたら翼と一緒に住んでいた。
何時から一緒にいるのか鞠唖も覚えていない。
最初のコメントを投稿しよう!