春の頃

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春の頃

③人でのアパート生活も順調で… ついでに仕事も順調で… 一応夫婦仲も順調で。 季節も春になり過ごしやすくなった。 自然とドライブの回数が増える。 元々車好きな俺は 何かと理由をつけては無理矢理②人をドライブに連れて行った。 『いくとこ無いやん…』 『また海??』 そんなん全く無視。。。 沙耶香も凄く嬉しそうや!! ドライブ行きたくて仕方ない!って顔してる!! と、 都合よく 勝手に解釈し… 無理矢理②人をドライブに連れて行った。 目的地に着くと ベビーカーに乗せ、俺がベビーカーを押す。 『まぁ~カワィィ』 と… すれ違う人 すれ違う人 に声を掛けてもらう。 『まぁ~カワィィ僕』 と…たま~に間違ったまま笑顔で通り過ぎる人もいてる。 行く先行く先で 沙耶香はアイドルで… 行く先行く先で 沙耶香は皆に笑みを与えた。 ん~… それでも何故か 自分の娘 と言う実感が湧いてこやん。 自分の娘には変わりないし、沙耶香の為なら何だって出来る。 本能の中では認識してても 意識の中での実感がない…。 こんなもんなんやろか… 世のお父さん。 こんなもんなんですか? 週末の昼時… 俺と沙耶香と妻。 心細かった③人の生活が これ以上にない程の心強い日々となってゆく。 この時 沙耶香は②ヶ月。 差し出した手の指を、小さな両手で掴み それを目で追うまでに成長していた。
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