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次の日の夕方。
父が来た。
『お母ちゃん…昨日帰って来るやいなや・出て行きたい…言うとるんや』
「出て行ったらェェやん」
『お前…昨日お母ちゃんにェラソ~に言うたやろ??
何で我が息子にあそこまでボロカス言われなアカンのや……言うて昨日泣いとったわ』
「関係ないやん。自分らがグジグジ言うてるだけやろ!?俺らからは何も喧嘩売ってないやん」
『………』
「何やねん」
『……ちょっとはワシらの気持ちも考えてくれ』
「気持ちも何も、たんに亀岡行ってるだけやろ!何がアカンねん」
『……ちょっとはワシらを頼って来てくれてもエェんちゃうか…』
「……」
『……』
「……」
『とにかくや。明日家に帰ってきてくれへんか?帰ってお母ちゃんに一言声掛けてやってくれへんか?』
妻が沙耶香を抱っこし
父との会話をうつむき聞いてる。
沙耶香は
相変わらず
ァア~ァア~
と声を上げている。
それを父が俺を挟み
チュッチュッ
と唇であやしている。
「帰らん」
沈黙を破って
それでも気が済まんからそぅ言うと
『……わかった。ワシからはもぉ~何も言わへん。けど…ワシは帰ってきてくれるのを待ってる。』
そぅ言い残し
『さぁ~ちゃん、バィバィ』
と
沙耶香の手を取って父は帰って行った。
なんやねん。
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