絶望

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『針…やっと入りましたんで…』 そんなんど~でもいい。 これ以上沙耶香を苦しめんといてほしい この病院に決め この病院に連れてきたのは俺らやけど… これ以上さぁ~ちゃんが苦しむ姿を、何も出来ずにただ見るだけ そんなん 沙耶香の父親として… もう沢山や その時。 あぁ~ あぁ~ うぅ~ うぅ~ 沙耶香の唸り声 『どうしたん!?さぁ~ちゃん!』 ベッドで点滴んされてた沙耶香が今までに聞いた事のない 唸り声をあげている うぅ~ うぅ~ 女の医師が慌てて駆け寄る 不思議そうに沙耶香を見る医師 反応を見る為、沙耶香の目まで両手をやり パチンと 手を叩く医師 反応が無い。 『どうなったんですか!?何でこんなんなってるんですか!?』 困惑と焦りと… 例え様のない恐怖に ただただうろたえる。 『一時点滴を中止しますね』 針が外される。 困惑の表情で見守る看護婦。 『どうしたんや!?』 と詰め寄る父 『さぁ~ちゃん!さぁ~ちゃん!!』 と呼びかける母 俺の手を強く握る妻 ひきつけの様に 苦しみながら唸り続ける沙耶香 目の前で起こっている全ての現実が把握できない俺 下痢が続き産婦人科へ連れて行った。 様子を見ろと帰された。 夜間診察に行った。 腸風邪やと言われた。 様子を見ろと言われた。 次の日も治まらなかった。 実家に戻った。 嘔吐をした。 夜間診察に来た。 脱水症状を引き起こす可能性があると言われた。 水分補給をする必要があると言われた。 点滴を打たれた。 沙耶香の容態が急変した。 助けてください… さぁ~ちゃんを お願いします… 俺はどぅなってもいいから… お願いします… さぁちゃんを助けてください…
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