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安堵
『車で寝てくるし…オカンにも言うといて…』
寝かけやった妻を起こしてしまう。
①人駐車場へ行き助手席のシートを倒し眠りにつく………
どれぐらぃの時間眠ったんか……
コンコンコン…
と
窓を叩く音。
気付いて窓の外を見ると母が立ってた。
『…先生が話あるって!早よ行ってきや!』
「何か言うてた!?」
『とにかく来てくれって!』
戦慄が走る。
駆け足で小児病棟へ行く。
後から父母妻がくる。
『何とかひきつけも治まり安定しました…』
最悪の事態を想定してた為…医師の発した言葉に唖然とする…。
『…もう…大丈夫なんですか?!』
父も母も妻も
良かった…
と安堵の表情やった。
『そぅですね…今は落ち着いてます。…ただ②~③日の入院が必要なので……とりあえず一旦戻られてはどぅですか?皆さん寝てはらないでしょ…』
力が抜ける。
胃が痛い。
医師の柔らかい表情を見た途端
倒れ込みそうになる。
数時間の長い長い闘いに満身創痍で勝ち残った…
そんな気分やった。
小児病棟の面会時間は午前⑨時半からなので…
と付け加えた医師に挨拶をし部屋を後にする。
本当は
この時沙耶香に会いたかった…
もぅ安心です…
の言葉と
今は寝てます…
と言われ
今はそっとしておこぅ…また後で会えるから…
皆
後で来たらえぇ…
と
言う事になり、この時点で一度帰宅した。
『あんたら…さぁ~ちゃん退院するまでこっちに泊まり~』
そう言い母が父を見る。
『…アパート引き払って家戻って来てもえぇねんぞ』
と
父。
それにしても…
良かった…
沙耶香が帰ってきたら皆でお祝いをしよ
一緒にお風呂入ったり
一緒に添い寝したり
また…皆で沙耶香を取り合い
また…沙耶香の笑顔で皆が幸せになる。
今度はもっともっと…
今まで以上に愛情を注いでやろぅ…
帰りの車の中で
そぅ考えてた。
『…よかったな…』
妻に声をかける。
返事のない妻を見ると
頭を窓にもたれ
スースーと寝ていた…
落ち着いたら
また海でも行こな…
お前は
『また海~?』
って言うかも知れんけど
お前と行く海も俺の幸せの①つねんで…
色んな思いが行き交い…
家に着いた頃には疲れも睡魔も限界で、着替える事なく
妻と②人眠りについた…
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