決断

1/1

1072人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ

決断

『…止めて下さい』 真っ直ぐと医師の顔を見る。 『……本当に止めていぃんですか?』 このまま続けても 沙耶香はもぅ笑う事はない これ以上… 沙耶香の苦しませたくない 何より… もぅ…無理なのは分かってるから 『止めて下さい…』 と医師に言った。 『……わかりました』 『まだ大丈夫なんやろ!?沙耶香!』 父が嗚咽混じりの声で問う 『さやか…アカンは… さやか…死んでしもた…』 父が泣き崩れた 『ごめんなぁ…俺が悪かったんや… 俺がさやかを死なせてしもたんや…』 妻と母は沙耶香のそばで沙耶香の名前を呼びながら泣いていた さっきの看護婦も一緒に泣いていた せめて… せめて俺だけはしっかりしとかんと… せめて… 父親として 最後ぐらいしっかりしとかんと… そう思ってたのに その場で崩れ落ちた。 言葉にも出来ない程の大きな声で泣いた 小児病棟に 泣き声が響いた 『さぁ~ちゃんはなぁ…お前に ありがとう 言うてエエとこ行った』 父が抱きかかえる。 『俺…さやかに何もしてやれへんだ…』 泣きながら父の肩を掴む 『お前はずっとさやかにとってエエお父さんしてたやろ!さやかもお前らに感謝して天国行ったんや!』 慰めにもならなぃ慰めをかける父。 さぁ~ちゃん。 ごめんな… 父さん、 さぁ~ちゃん守ってやれへんだ… さぁ~ちゃん こんな父さんで ごめんなぁ……………
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1072人が本棚に入れています
本棚に追加