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騒ぎを聞きつけ台所にいた母と部屋で泣いていた弟が寝室に駆けつけた。
『何やってるんや!』
母が止めに入る。
『お兄やめろって!!』
弟が引き離す。
離せ!
と叫ぶ俺が更に引き離される。
弟を殴りつけ義父の胸ぐらを掴む。
立ち上がった弟が止めに入る。
沙耶香は…
この騒ぎに起きる事なく眠ったようやった。
『お父さん呼んできて!』
母が叫び…
沙耶香のお葬式の準備の為、近所にある地区区長宅へ出向いていた父を妻が呼びに行く。
依然として
取っ組み合いの喧嘩もおさまらず…
弟も息を切らしながら止めに入るもそれが無理やと悟り…
俺と義父の怒鳴り声のみとなった時…
母の姿が目に入る。
包丁を持った母
『ウチもさぁ~ちゃんと死ぬ…』
そぅ言って目をつむり包丁を振りかざそうとした
『何してんねん!!』
近くにいた弟がすかさず止に入り包丁を奪いとった。
俺と義父の取っ組み合いが終わる。
『こんな時に喧嘩せんといて……さぁ~ちゃん送り出さなアカン時に喧嘩せんといて…』
そぅ言って
台所で母は泣いた。
直後…父と妻が帰ってくる。
肩で息をする義父と俺
包丁を片手に涙を流す弟
沙耶香の脇で座り込む義母
椅子に座り泣く母
何しとんや!?
と玄関から駆け寄る父
泣きながら沙耶香の元へ駆け寄る妻
寝ている様に安らかな
沙耶香…。
時間は午前10時を回ってた…
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