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夜になり…
葬儀の準備も整い、多くの人間が通夜へと訪れる中…②階へと上がりタバコを吸った。
柄こそ忘れたけど、可愛ぃぃ封筒と便箋を机に置き…
書き始めた…。
沙耶香に対する想いや気持ちや思い出を文章にし形にするのも勿論初めての事。
涙が落ち便箋がふやけない様に何度も何度もティッシュでそれを拭く。
妻がきた。
『…何してんの?』
「手紙書いてんねん」
『なんで?』
「なんでて……」
『…誰に書いてんの?』
「…さぁ~ちゃん…」
『……』
「…」
『…ウチも書いていぃ?』
「うん。」
横にきた妻が
『便箋ちょうだい…』
と言い、
手渡す時に
ありがとぉ…
と言った俺。
妻は
『なんで??』
と聞き返す。
当然やろぉ……。
俺自身何でありがとぉ
と言ったのか覚えてない。
そして
それぞれが対面で座り
沙耶香へ手紙を書いた。
同じく妻も何度か涙を拭きながらペンを走らす…。
どれくらぃの時間書き続けていたのか覚えてないけど、
沙耶香に書く最初で最後の手紙は便箋②枚となり……
明日、沙耶香が旅立つ前に
綴ったばかり手紙を読み返した。
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