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俺が見るまでもないぐらぃの精神的強さがある。
それぐらぃにしか思ってなかった…
『…真由美…公民館の下の倉庫で毎日泣いてるの知ってるか?
あの子…お前の前では泣いたりしてへんはずや…。』
知らんかった。
沙耶香を亡くした事で全ての気力を無くした俺を支えてくれてた妻。
それにすがってた自分。
別れを告げた沙耶香を認めずにそれにすがってた俺……
叔父②が帰り…
その日の夜に妻と話た。
『…話あるって……どぅしたん?』
「いや……悪かった思って」
『…何が??』
「今まで。」
『今まで…って??』
「……①人にさせて…」
『一緒やったやん。どしたん?何か変やで…』
「一緒やなかったやろ………俺知らんかったし」
『何を?』
「……お前が泣いてる時…俺居てなかった……」
そぅ言うと妻は
『そんな事かぁ~!大丈夫やで!!』
と笑顔で答えた。
笑顔で答えて…
涙を流した……。
葬儀以来…初めて目にする妻の涙。
「ごめんな……俺弱くて…ごめんな…」
あの時もそぅや…
沙耶香の容態が急変したあの日…階段の手間で妻は俺に笑ってみせた。
葬儀の前日…
妻は俺の体を心配し、食事だけはマメに食べさせてくれた。
こいつは…いつも俺を気遣い
糸が切れそうなのは本人やのに…
俺の前では強がってみせた。
強くあれ…
男なら。
こいつを愛するなら強くあれ……。
一緒に壁を乗り越えよ?
結婚式以来のその言葉に力強く頷いた。
②日後…
俺は②週間振りに仕事へと行く……
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