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日常
久しぶりに行った職場は何か雰囲気が違った。
社員も課長も店長代理も皆が同じ人やのに
違って見えた…。
『大変やったなぁ…』
先輩の高橋さん。
『可哀想な事やった…』
課長の殿村さん。
『来てくれたんか…。けど無理だけはすなよ』
課長。
皆…気を使ってるよぅでやっぱ変やった。
⑧時半の朝礼の時…
昨日の報告と社訓の読み上げ…
その後に社員から報告なり上司の付け加え等があるんやけど…
葬儀やその後②週間に渡る欠勤のお詫び……葬儀の際にお世話になったお礼を言う為に
『すみません…ちょっといぃですか?』
と朝礼の最後に席を立った。
『長きに渡る欠勤で皆さんには迷惑をかけました。申し訳ありませんでした……あと…葬儀の際に花などお供え頂き……』
そこまで言うと
『ヒデちゃん…気にすな!!』
と店長代理が挟む。
『無理に元気出す必要はないし、しんどかったらいくらでもカバーするから。…しんどかったなぁ~……よぉ来てくれた』
ありがとう…。
またここで泣きそうになったけど、
一昨日妻にもぅ泣かへん…と約束したばっかやし、何より泣いたかって誰も喜ばん。
泣いても前に進めんし。
朝礼が終わりそのまま座ってると
大西さんが来た。
大西さんの言葉で目の前がぼやける。
上を向く。
【座しても事は始まらない】
社訓の①つが貼ってある。
ちょっと笑った。
入社当時から貼ってあった社訓の①つがこの状況にピッタリやったのと…
皆が皆朝の準備に追われてる中、そこに座ってるのは俺だけで…
その他大勢の時間は今まで通りに動き、残されてるのは俺のみ。
とりあえず…
動こ。
時間取り戻せる事は出来へんけど、
何とかそれをバネには出来る。
ゴチャゴチャ考えるのはやめや…
生きてさえいれば…
何とかなる。
生きてさえいれば。
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