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「父さん…仮面ライダーアギトと友達ねんで!?それでも嫌いなん?」
『アギト怖い…』
ミスチョィス。
それならいっそトコトン嫌われとこ…
今は子育ても大切やけど仕事も大変やし…
今はオトンとオカンに委ねとこ…。
ブランコから立ち上がり
「…ほなぁ~父さん、ゆうくんに嫌わてるし…
ゆうくんとバィバィしてどっか遠いとこ行こかなぁ…」
ど~でもエェわ的に半ば勢いで言うた言葉。
嫌われてるならなおのこと。
でもこれは…今から思うと
父親としては最低な言葉やったと思う…
少し間をおき
「ゆうくん帰ろか~」
と声をかける。
侑己は…
そのままブランコに座ったままで下をむいて
小さく震え始めた。
「ゆうくんどしたん!?」
駆け寄ると
侑己は泣いてた…。
「どなぃしたん?何で泣いてんの!?」
とにかく焦った。
さっきまで普通にブランコに乗ってたのに、何を泣く事あんねん…
また俺がいらん事言うたんやろか…。
すると…
『…父しゃんどっか行ったらゆうくん一人ぼっちになる…』
そう言って侑己は静かに泣いた。
泣いたのにもビックリしたけど
侑己の発した言葉に打ちのめされたと言うか。
なんつ~か…
ジジババ居てるし、俺もど~やら嫌われてるし、侑己さえ寂しくなければそれはそれでエェわ…
と思ってた
のは愚かな間違いやった。
コィツはコィツなりに色んな事を我慢し、
色をな寂しさを①人で背負ってたんやろなぁ…。
「…ごめんな…
嘘やでゆうくん。
父さんどっこも行かへんから…」
見下ろした侑己は…
普段よりも小さく見えた。
そして…
そこまで言うと
涙が溢れてきて再びブランコに腰を下ろし…②人で泣いた。
あれから…侑己に
「父さん好き?」
と聞く事はなくなったけど、父さんはゆうくんが大好きで…誰よりも大切な宝物やで…
と
今は胸を張って言える。
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