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「えへへ、とーちゃん」
「ん」
正直な話、悪い気がするわけではない
現に膝の上に乗ってる小さな子供に父と慕われるのは少し誇らしい気もする
「えへへ~、あなた~♪」
「重い」
「いじわる…」
しかし、二つ大きな疑問がある
一つはこんな小さな子供が織田信長であること
それともう一つ
「…かすみ」
「おー、なんだとーちゃん?」
「なんで俺と茜が父ちゃんと母ちゃんなんだ?」
ここが一番の疑問
だって…信じがたいけどかすみは織田信長なんだろ?
「…それはなー」
「殿!!とーのー!!!」
「なんだ?」
さっきまで聞いていた声、木下さんが来たのだろう
「おー、どーした?」
「はぁ…はぁ…い、今川の軍勢二万五千が清洲城に向かって進行中です!!!」
「な!?」
不意に、頭の中に文章がよぎる
『今川軍が清洲城に進行、織田家滅亡…』
はっと、あの本を手に取る
偶然にしては重なりすぎだろう
「一体…なんなんだこれは?」
ほうっと、握った本を床に落とす
その時
「…ほぇ?」
本を落としたはずなのに
茜の間抜けな声と共に
『ドサッ』
何故か自分が仰向けで倒れてた
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