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「寝ちゃったね」
「ああ」
桜さんも帰って、時刻はちょうど十二時を回ったあたり
さっきまではしゃいでた魔王様は夢の中
思うと、奇妙な体験をした割には俺も茜も冷静すぎるかもしれない
「あれだけあったのに茜はあんまり驚いてないよな?」
「慣れっこだもん、いろいろあったからね」
「…」
いろいろ…な
「はぁ~、もう二年も昔なんだよねぇ…」
「あっという間だったよな…」
「毎日楽しかったからね~」
茜が幽霊になって帰ってきたのが二年前
それからの毎日は戦慄だったが
より日常が戦慄と化したのは一年前
「人に見える分質が悪いんだよなぁ…」
「え~?い~じゃんべたべたしたって~」
「流石に町中は勘弁してくれよな…?」
…毎日がそんな感じだ
だけどまぁ、概ねは笑って過ごせている
これもまた誰かさんのおかげ
「明日も笑ってられるといいね」
「なら人前であんまり恥ずかしいことするな」
「む~、琉の恥ずかしがりやさんめ」
「違うだろ…」
また始まった非日常な生活
でもまぁ、茜さんの力で毎日が笑って過ごせる事でしょう…
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