安寧への助力

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応接室で、少年を挟みそれぞれソファーに腰掛ける、その両親らしき人物達。 対面のソファーには、かなり若く見える赤毛の科学者が1人。 優しげな笑みを称える科学者に対し、両親はどこか落ち着かない様子だ。 「本当に、お任せして大丈夫なのでしょうか?  この子は、その…」 少年を恐る恐る見詰める母親。 少年は固い表情で俯いていた。 両親は身体のあちこちに包帯を巻き、火傷の痕が要所に見て取れた。 「大丈夫です。 この施設には、そうした問題を抱える子が多く入居しています。  我々に任せて頂ければ」 「そんなにいらないの?」 少年が震える声で訴える。 「僕が普通じゃないから? どうせ…僕なんて、いらない子なんだ!」 感情を露にする少年の腕から、紅蓮の炎が生み出された。
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