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ロープ… Aの前にロープがある。山中で見かけたあれだ。恐怖が…全身を走る。しかし感情とは別に体はロープの近くに。椅子がある。Aは登る。 「嫌だ…死にたくない」 必死に思うが首にロープをかける体。 「夢だ夢だ!覚めてくれ!頼む!」 足場がぐらつく。ふとAは視線を落とす。そこには、体のいたるところからウジがわき、骨が見え、肉が落ちている無数の死体の山が、椅子を倒そうとしている。首にはロープの跡。そう自殺者達だ。口々に喚き、叫び。まさに地獄図。その中にじっと立って何かを言っている女が一人。死体ではない。そうAがさとった。が、うまく聞き取れない。足場が大きく揺れた時、耳に入った言葉は… 「……!?」
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