絵空事

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それは絵空事だった 「あたしの腕は羽根になってそして…」 幼い君の口癖 胸を締め付けた 護る事も叶わない 僕の無力さ 太陽に近すぎる日 小さく笑った 君の手を 赤くなるまで握った さよならと揺れたら二度と 掴めないような君の手 それは絵空事だった 君が望む世界 「いつか腕が羽根に変わり、そして…」 深い深い空の中 ベランダで泳いでいた 絵空事は事実に変わる 僕の胸で事実になる 悲しい悲しい 君の物語
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