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『ヨウコさん』Ⅰ
―正直な話、俺は幼い時から幽霊というものが見えていて、かなり身近な存在だった。こう言うと大抵の人間は、嘘だと思って笑うか、変質者を見るかのようにドン引く。
だから俺はそんなこと誰にも言わずに今まで17年間生きて来た。
なのに、だ。
「周りについてる『幽霊(それ)』、放っているのは趣味か?」
いきなりすれ違い様に呼び止められ、見ず知らずの『彼女』にそう言われた。
それが、『彼女』―鐘乃音 稚鈴(かねのね ちりん)との衝撃的な出会いだった。
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