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「…………」
落ち込む晃司の様子にテレビから視線を変えて、少し困惑した顔をした。
実はプレゼントは内緒で用意して隠してあるが、今年は少し趣向を変えてみようと祝いの言葉を伝えていない。
「………」
せっかくの日にジーザスを渋谷に預けて二人っきりで過ごせる事にしたが、構って貰えない淋しさに元気をなくす。
「安心しろ…ちゃんと祝ってやるし、プレゼントもやるからな…だから夜まで待てよ!」
仕方なく計画していた予定を少し洩らして、元気づけようと考えて声をかける。あんまし祝って貰った記憶がないと聞いた事があったから今年は思い出に残るような誕生日にしようと思った。
「泉っ…プレゼント?…夜に祝ってくれんの?」
しかし、逆にかなり驚いて興奮する晃司は急に上機嫌になり、にこにこと顔を緩ませていた。
「お前な…ヘラヘラ喜びやがって、言うんじゃなかった…」
急な機嫌の変わり様にムスっとした表情で呆れている泉は、再びテレビに視線を戻した。
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