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「お前…へんな事考えてないだろうなぁ?」
泉は何かを何か企んでいると思い、疑い深く晃司に視線を向ける。
「今日は誕生日だし…コスも初めて見たからそのままいて欲しいんだ」
それを笑顔で晃司は答えると、掴んでいた手を離した。
「仕方ねぇか…今日だけだしいっか」
少し考えたが着替えにいくのも面倒なのでそのままでいる事を決めた泉は、椅子に腰を降ろした。そして、クリスマスケーキをナイフで切り分けて皿に乗せて、晃司の前に置くと次に自分の分を目の前に持ってきた。
「……………」
もくもく…とフォークでケーキを切り、口に運んでいく晃司は黙っている。
「美味くないか?」
なぜ黙っているのか分からない泉は、手作りのケーキが不味かったのかと思い、静かに聞いてみた。
「美味しいよ…」
不安そうに聞く泉に気づいたのか、ようやく答えた。
「なんで黙って食うんだよっ!不味いかもって思ったじゃねえかよっ」
返ってきた言葉にほっと安心して、ケーキを食べ始める。
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