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途中まで3人で歩いていき、琉架と別れた。
「琉架、彼氏さんの所行くのかな」
琉架の背中を見ながら、椎名は言った。
「かもな…」
「琉架、無理してるよね。体育の時だっていつもみたいに動けてないみたいだし」
「…」
自分より10センチほど背の低い椎名をみた。
「どうした?」
「あれほど、男とは付き合わないって言ってたのにな」
ヘラッと俺は笑って見せた。
「そっち?オレは、手取り足取り腰とり柴田にしてもらってるから♪」
「よかったな」
「柴田の事じゃ2人に感謝してるからな~。だけど、柴田もたまに酷い事すんだ。虫も殺しませんって顔してよ」
椎名の話は、聞いててあきない。
教室での出来事を忘れることができたらいいのに。
「あ、つまんなかった」
俺の表情を見て、椎名は聞く。
「いいや。椎名といると落ち着くよ」
「そりゃ、よかった~」
「大夢…話があるんだ」
次の日の昼休み。
3人でご飯を食べていると教室に由生がきた。
「何?」
「…」
由生は、チラッと琉架をみた。そして、視線を俺にもどした。
「ここじゃあれだから…」
教室から出ようと、由生は言った。
「…わかった」
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