椎名編

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「大夢!」 「あ?」 朝、教室に入ると親友の顔を発見した。 オレは、一目散に牧野大夢の側へ走った。 「どうしたんだよ。椎名?」 「どうしたじゃねぇよ!あいつ、保健医の柴田!あいつおかしいって!」 オレは、昨日の出来事を事細かに大夢に話した。 「別にいいんじゃねぇの?」 「はぁ?何言ってんだよ、大夢」 「だから、男同士だって関係ないだろって」 「…もしかしてさ」 「俺も男が好きなんだよ」 大夢の突然の発言に、オレは驚いた。 親友の大夢がホモだったなんて… 「椎名には、きちんと言っておきたかったんだけどな」 「…ごめん。大夢、オレ無神経な事言って…」 ポンッと大夢は優しく、オレの頭を撫ぜた。 「あぁ。分かってもらえると有り難いよ」 男が好きだって、大夢が友達なのは変わらない。
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