13人が本棚に入れています
本棚に追加
「凄いわよね~…憧れちゃう。龍ちゃんも頑張らないと!」 「ヤだよ。俺勉強が一番嫌いなんだよ。」 「はぁ。おじさんとおばさんが可哀相だわ…。」 「可哀相なのは俺の方だし。ちっけぇ頃からずっと一人なんだから。」 そう俺が言うと、祭姉ちゃんは曇った顔をした。 またひねくれた言い方しちまった。祭姉ちゃんは純粋だからすぐ俺がひねくれた事言うと暗い顔する。とりあえず謝らなきゃ。 「ワリィ。ひねくれた言い方しちまって。祭姉ちゃんは気にしなくていいからな?まぁこういう性格だからさ。」 そう言うと、祭姉ちゃんはまた笑顔に戻った。 リビングの時計を見ると、十一時半を過ぎていた。もうすぐ大輔が来る時間だ。 「食べ終わったらどうするの?これから。」 「12時に大輔が来るんだ。夏休みの宿題やってもらうんだー!」 笑いながら、俺はそう言った。 祭姉ちゃんは何か言いたそうだったが、俺は急いで食器を片付け、我が家に向かった。 家に帰ると、リビングの冷房をつけて部屋からため込んでいた宿題を引っ張り出した。 「なんで俺の部屋に冷房つけてくれねーんだよ!」 一人キレていると、インターホンが鳴った。 十二時五分前、大輔だ。アイツは生真面目でいつも五分前行動をしている。
最初のコメントを投稿しよう!