車椅子生活

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 . 「じゃあ、さくらちゃんは、車椅子の乗り方は教えなくても分かるんだね?」 「うんっ! 一輪車みたいに操作が楽しいよっ!!」 「そっかそっか♪ じゃあ、行ってみますか」 「わーいっ!!」  だけど……。 「………」 「さくらちゃん、どうしたの?」 「いや、付き添いがいるのは分かってたけど、付き添い……多くないですか?」  病院の中を探検するだけなのに、付き添いは医師にお母さん、それに看護師さん3人の計5人。  明らかに、わたしみたいな子ども一人の為に付き添いが多過ぎる。  わたしはどこかのお金持ちのお嬢様か? 「いやぁ~。さくらちゃんに病院の中を案内するの初めてだからさ」 「医師とお母さんは良いとして……看護師さんたち、お仕事しなくて良いんですか?」 「大丈夫よぉ~。私たち今、休憩時間だもんねぇ~」 「えっ!? じゃあ、看護師さんにとって休憩時間は貴重なんですから、自分の時間を大切にして下さいっ」 「さくらちゃんは優しいね。でも、良いのよ」 (わたし、優しくないよっ! 良くもないよっ!) 「だって私たちね、医師に言われたからじゃなくて、自分の意思でさくらちゃんに付き添ってるんだもん」 「……え、どうして……?」 「さくらちゃんの“笑顔”が見たいから!!」 「わたしの笑顔……?」 「うん。さくらちゃん、意識取り戻してから今日初めて笑ってるんだよ。自分で気付いてる?」 「あ……」  そういえばそうだ。  わたしは意識を取り戻してから、泣いたことはあっても、笑ったことはなかった。 .
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