歩行器生活

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 .  次の日……。 「さーくらちゃん」 「あ、医師」  車椅子に乗って、病院の中を探検してたら医師がわたしのところに来た。 「うわぁ~。もうすっかり車椅子に乗るのマスターしてるね」 「うんっ! 医師、わたしね、勉強とかは無理だけど、こういうのを覚えるの何故か早いんだよ」 「そっか、そっか」 「それで、医師。わたしに何か用?」  「うん。昨日ね、さくらちゃんのお母さんと相談したんだけどね、明日からさくらちゃんのリハビリをスタートさせようと思うんだ」 「え! 医師、それ本当っ!?」 「うん」 「わーい、ヤッター!」 「……それでね、さくらちゃん」 「ん?」  医師は言いづらそうに口を開いた。 「今日で車椅子に乗るのは、おしまいだよ」 「え、何で!?」 「このまま車椅子生活を送ってたら、両手に筋肉はつくけど、両足は使わないからもっと筋肉が衰えちゃうんだ」 「でも、医師。車椅子乗れなくなったらわたし、病院の中を探検出来ないよ?」 「うん。だからね、今日からさくらちゃんには車椅子じゃない違うものを使って生活してもらう」 「車椅子以外のもので生活……?」  最初、わたしはそれが何なのか全く予想がつかなかった。 「じゃあ、まずはさくらちゃんの病室に戻ろうか」 「はーい」   わたしと医師は、自分の病室へと戻った。  車椅子に一人で乗れても、一人では車椅子からベッドの上に戻れないから、医師に手伝ってもらった。 「ねぇ、医師。その、車椅子以外のものって、なぁに?」 「大丈夫。変なものじゃないよ。さくらちゃん、一回は使ったことあると思う」  わたし、一回使ったことある……?  医者のその言葉にわたしは、ますます分からなくなった。 「もうっ! 医師っ、勿体ぶらないで早く教えて下さいっ!!」 「もうちょっと待ってね。今、看護師さんがこの病室に持って来るから」 .
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