無の世界

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 . 「ねぇ―――って、あれ……?」  ちょっと目を離したら、女の子が消えた。  ……ちゃぽん……。 「……っ?」  一瞬、水の音がした。 「おねぇちゃぁ~ん」  女の子がわたしを呼ぶ声もした。 「おねぇちゃぁ~ん。はやくきてぇ~」 「今、ちょっと行くから待ってー!」  女の子の声がした方へ行くと、そこには……。 「……みっ、湖……!?」  あり得ないくらい、大きな湖があった。 「あ、おねぇちゃん」  女の子もちゃんといて、湖の水で遊んでた。 「もう。話の途中で勝手にいなくならないでよ……」 「えっへへ~。てりゃあっ!!」 「うわっ」  女の子に近付くと、パシャッと湖の水をかけられた。 「もう~。いきなり何す……」  『いきなり何するの!?』って、わたしも女の子に湖の水をかけようとした。  でも……。 「どうしたの……?」  さっきまで女の子はニコニコと笑っていたのに、急に真顔になった。 「……よんでる」 「え?」 「わたしをよんでる……」  そう言うと、女の子は大きな湖に自分の足を入れ始めた。 「危な……っ」 (このままじゃ、女の子が沈んじゃう……っ)  わたしは、女の子を止めようとした。  ちゃぽん……ちゃぽん……。  でも、女の子はわたしを気にせず、大きな湖の中を進んでいく。  大きな湖だから深さはかなり深いと思ったが、女の子の膝くらいの浅瀬だった。 「…って、ホッとしてる場合じゃないっ!!」  わたしも大きな湖に入り、女の子の後を追おうとする。  でも……。 「……っ!?」  そう実行しようとしたら、身体が動かなくなった。 「……ッ……!!」  声も出ない。 (待って……待って……っ)  一生懸命身体を動かし声を出そうとしたけど、その間に女の子の姿は大きな湖の中に消えていった。 .
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