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―――目覚めると、病室のベッドの上にいた。
何故、自分が此処にいるのか分からない。
「さくら!」
お母さんがわたしの名前を何度も呼ぶ。
お母さんはもう、泣きそうな顔をして喜ぶ。
何故、お母さんが泣きそうなのか分からない。
……目覚める前の記憶が無い。
わたしは、ずっと―――眠っていた?
「……さくら。あんたね―――15日間、意識無かったのよ……」
「……へ……?」
……いきなり何をおっしゃっているんですか、お母様?
意識が無かった……って、どういうことですか……?
「あんた―――生死の境を彷徨っていたのよ」
「………………。……………。…………。………はい?」
ドッキリカメラは何処だろう?
これは、一体何のジョークだろう?
……でも、こんなジョーク言うはずないよね?
「……痛っ!」
物事を把握出来なくて、パニックになっていると後頭部に激痛がはしった。
………頭、が痛い。
まさか……。
「お母さんっ。わたし、何らかの事件に巻き込まれ……っ……!?」
「違うわよ、馬鹿っ!!」
「……お母さん。頭痛い……」
「当たり前でしょ。あんた、“脳”が病気になったんだから」
「………!?」
「……ちゃんと説明するから、落ち着きなさい。さくら」
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