シュウトくん

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 .  次の日。 「こんにちはー。シュウト―――って、あら?」  病室に女の人が来た。  シュウトくんのお母さんだった。 「こんにちは、シュウトくんのお母さん。シュウトくんならちょうど今、リハビリに行きましたよ?」 「あら~。じゃあ、来るタイミングが悪かったわね」 「1時間くらいすれば、シュウトくん戻って来ると思います」 「そうね。……ねぇ、さくらちゃん」 「はい?」 「ちょっと今、時間ある?」 「シュウトくんのお母さん。病人は常に暇人なんですよ」 「ふふっ。さくらちゃん、シュウトと同じこと言ってる。シュウトのことで話があるんだけど、聞いてくれる?」 「わたしで良ければ」 「…さくらちゃん。この話を聞くのはあなたじゃなきゃダメなのよ」 「………?」  ニコニコしてたのに、シュウトくんのお母さんは笑うのを止めてわたしを見た。 「それで、わたしに話って……?」 「さくらちゃん、ありがとう」 「え?」 「シュウトが自分の兄弟以外にすっごく楽しそうにして笑っているところ、おばさん久しぶりに見たわ」 「そんな……っ。わたしは何も……っ」 「いいえ。さくらちゃん、あなたのおかげよ。本当に感謝してるわ。だから、さくらちゃんに聞いてほしいの。―――シュウトの病気のこと……」 「シュウトくんの病気……?」  そういえば、シュウトくんは何の病気なんだろう? 「えぇ。シュウトはね、7歳から車椅子で生活してるの。それまでは本当に元気なサッカー大好き少年だったのよ」 「シュウトくん、リハビリを頑張ってまた友だちとサッカーするって言ってました」 「……それはね―――残念だけど、出来ないのよ」 「……え……?」 「……シュウトね、もう二度と―――自分の足で歩けないの」  ……今、シュウトくんのお母さん、何て言ったの……?  二度と……歩けない……? .
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