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「嫌です」
「……そう、よね……。ゴメンなさい……」
「シュウトくんのお母さん。変なこと言わないで下さい。……わたしはシュウトくんが“かわいそう”とか思って、これからもシュウトくんの友だちでいるなんて嫌です」
「………」
「シュウトくんの病気が何であろうと、シュウトくんはシュウトくんだもん。シュウトくんがわたしの大事な友だちなのは変わらないです」
「……さくらちゃん……」
「だから……これからもシュウトくんの友だちでいてくれ、なんて頼まないで下さい……。わたしは自分の意志でシュウトくんと友だちなんです」
「……そうね、ゴメンなさいね……。……ありがとう……」
シュウトくんのお母さんは、泣いていた……。
わたしのお母さんも含め、世の中の“お母さん”はやっぱりすごい……。
「……ゴメンね……。最近、おばさんね……、どうも涙もろくなっちゃって……」
……わたしのお母さんも……わたしが意識ない時に……こうやって泣いたんだろうか……?
『まだ、逝かせてたまるかって思った』
……お母さん……。
「……さくらちゃん。おばさんは……シュウトの母親失格よね……」
「えっ?」
「だって……シュウトの母親なのに……。あの子に何もしてあげれない……。あの子の病気を代わってあげることも何にも出来ないの……」
「シュウトくんのお母さん……」
どうして……シュウトくんみたいな子が……リハビリを一生懸命しているのに歩けないの……?
どうして……わたしみたいな奴が……リハビリを不真面目に受けてても、いずれ歩けるようになるの……?
……わたしは……。
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