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病院ジプシー
アトピーと言う言葉の語源は『訳がわからない』と言う意味からだと、どこかの本に書いてあった。
遺伝・食事・外部的要因など、原因も様々な上、症状も人それぞれ違う。治療方法も医師によって全く違う。
ステロイドを使用したくないと言う私の意志が通った病院は、病院巡りを開始して5つ目の皮膚科だった。
『使いたくなければ使わなくていいけど、保湿しなきゃ話にならないからワセリン塗って。それと、完全母乳なら、油と卵と牛乳使った料理は食べないでね。赤ちゃんなら、たいていはそれだけで充分だから。』
初老の女の先生だった。
ここでは、皮膚炎の子には普通にステロイドを処方はしているらしいので、多分、私の頭でっかちな意見に押されたと言うか、呆れられたのかもしれない。
それでも私は充分だった。
病院巡りの中では、医師の方針とは違う意見を言う私は、ことごとく暴言を吐かれて来ていた。
『あ~いるんだよね。本とか読んで必要以上に怖がるお母さん』
自分の子供に安全を求めるのは、そんなに悪い事?
『ステロイド使わなきゃ、もっとこの子は汚くなるよ。』
今、私の赤ちゃんに対して『汚い』って言った?
そしてどの医師も言い方の差はあれど、言った言葉は
『今はステロイド使用しながら様子を見るのが主流だからね。』だった。
だけど、私の
『ステロイドに皮膚炎を治す効果はあるんですか?』の問いに頷いてくれる医師は一人もいなかった。
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