夕立に相合傘

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七月も中旬。 雨の多い時期を無事抜け出し、そろそろ太陽が本領を発揮しようとしている。 それに呼応するかのように、明神学園全体も何だか浮き足立っていた。 夏が到来するということは、夏休みという一大イベントの開幕を意味する。 一部の生徒にとっては有って無いようなものだが、大半の生徒には違う。 遊び、旅行、アルバイト。様々な予定が満載だ。 あと二週間。 生徒たちは首を長くして待っていた。 二年A組の生徒とて例外ではない。 「突然で申し訳ないが、今から席替えをするぞ」 週に一度のロングホームルームの時間。毎回のごとく来ない担任が久々に来たと思ったら、一体何を言いだすんだ。 水野明子の言葉に生徒たちはどよめきたった。
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