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「そういえば、来週はもう夏休みなんだよな」
厚焼き卵を頬張りながら稔が言う。ものを食べながら喋るという行為は、あまり好ましいものではない。
「夏休みかぁ。来年はもう無いようなものだから、今年は思いっきり楽しまなくちゃね」
操は窓の外に目をやった。
ここ数日はずっと快晴。今年一番の暑さになっているらしい。夏服といっても限界がある。
「願わくば無事二学期に進みたいものだが……」
優一は風になびくカーテンをうっとおしそうに振り払う。午後には涼しい風が吹いて気持ちが良いが、窓際の人間にとっては些か迷惑でもあった。
「塚越君、心配ありですか?」
弁当をつつきながら千歳が訊く。
何事もないいつもの昼休み。生徒達の息抜きの時間でもある。
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