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「……えっ?」
突然の怒号。
優一は呆気にとられるしかなかった。
「なんなのよあんた!」
それでも操は止まらない。
「立花さんが無事なら私はどうなってもいいの!?危険なのはあの子だけじゃない!私たちだって危ないのよっ!!」
溜まりに溜まった思いの丈を吐き出すような操の叫び。感情に任せた主張は、本人すらも理解していない。
「ちょ、桐生さん。とにかく落ち着いて――」
「うるさい!」
稔の言葉は届かなかった。
「操、よく聞いてくれ」
平静を取り戻した優一は、努めて冷静に操を宥めようとする。
「お前の言いたいことも分かる。だけど立花さんは友達だろう?友達を助けるために最善を尽くすのが俺たちの仕事じゃないのか?」
また、立花さん。
どうして立花さんばっかり?
冷静さを失った操は、とうとう言ってはいけないことを言ってしまった。
「あの子が勝手に入ってきただけじゃない!助ける義理なんて私にはないっ!!」
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