地に潜む者②

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「くそ、意外と暗いな……」 一寸先は闇という言葉を具体化したら、きっとこのような感じになるのだろう。言葉の意味は別として。 「手探りでなきゃ進めやしないな……」 視界ゼロ。 右手の感触以外で距離を掴む術はない。光の入らない洞窟の中は想像以上に暗かった。 (稔はうまくやっているだろうか) その一切を任せてしまったが、正直悪いと思っている。しかし、今の自分では操を刺激してしまうだけ。稔に任せるしかなかったのだ。 (操か……) 一体何を怒っているのだろう。 私の気持ちなんて分からない。 彼女はそう言っていた。 確かに自分には操の考えていること、思っていることは分からない。だが、一体何を分かれと言うのか。 (こういう考えがいけないのかなぁ) いずれにせよ、何らかの形で埋め合わせはしなければなるまい。多分、悪いのは自分だから。 「おっ?」 洞窟の奥の方が、微かながら明るくなっている。 外にでも繋がっているのか。 (ノームが言ってた場所か……?) 光に近づけば近づくほど、感じるエーテルは強くなる。奥に居るのは間違いない。 恐らくそこに千歳も居るはずだ。 「さぁて、覚悟を固めるか」 足場の悪さに注意しながら優一は歩みを速めた。
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