地に潜む者②

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『ふふん。一人で来るたぁなかなか度胸があるな』 「止むを得ずってやつだよ」 言っている間に優一は距離を取る。先程は不意打ちだったが次はそうはいかない。いつ攻撃されてもいいように身構えた。 『ふぅん。まぁいいだろう』 何を納得したのか、ノームは顎に手を当てて頷いている。 『少なくともてめぇを殺す目的には変わりゃしねぇ』 言い終えると、ノームは両手を地面についた。 「……何をする気だ?」 優一は眉をひそめて問う。無論、不慮の事態に備えることも忘れない。 『見てりゃ分かる。てめぇはエーテルの流れでも見てやがれ』 「……?」 確かにノームの手から多量のエーテルが地面に流れ込んでいる。しかし、それが一体何を意味しているのか。現時点ではまだ分からない。 『ふふふ……』 堪えきれないというように笑い声を漏らすノーム。 「何が可笑しい?」 依然、地面にはエーテルが流れ込んでいる。 『いやなに。てめぇを殺す場面を想像すると面白くてなぁ。――来たぜぇ!!』 その声を合図に、突如として地面が盛り上がる。 「なんだ……?」 地面から生えてきた土の柱は、人の身長程のところで成長を止めた。そして、まるで生き物のように蠢き、変化を遂げる。 寸胴だった柱から手と足が伸び、目や鼻といったパーツの無い顔が形成された。さらに両手の先からは剣状の尖った物が伸びる。 「……ゴーレム」 ノームのエーテルを身に宿した土の傀儡は、ゆっくりと動きだした。
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