地に潜む者②

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『そうさ。俺はエーテルを使って土を自在に操ることが出来るんだ』 ゲタゲタと下品に笑うノーム。 『そのゴーレムでてめぇをボコボコにしてやるからなぁ!』 ノームが手を振り上げる。 それを合図に、ゴーレムが跳躍した。とても土で出来ているとは思えない速さだ。 「ちぃ!つくづく性根の腐った野郎だ!」 毒づきながらも優一は右の一太刀を体を左に捌いて躱す。大きく攻撃を外したゴーレムだがただちに体勢を立て直し、今度は左手の剣で横薙ぎを繰り出した。 「危ねっ!」 しかし、それでも優一を捉えることは出来ない。優一はバックステップでゴーレムと距離を取った。 (剣術の心得は皆無だな……) がむしゃらに振っているとしか思えない。速さはなかなかあるが、太刀は素直だ。軌道を読むのは容易い。 どうやら武器を扱う能力はあっても、考える能力はないらしい。 (だったら……!) 再びゴーレムが突っ込んでくる。今度は左右の剣をクロスさせ、スピードに任せた突きの構え。斬撃よりも躱すのは簡単だ。 優一はその場で背中を丸めた。 「はっ!」 突きが頭上を通り過ぎる。それでもゴーレムの動きは止まらない。 ぶつかる直前、優一はゴーレムの股下に腕を通し、自分の背中に乗せるようにして投げ飛ばした。 もともとの勢いも相まって、ゴーレムは空中で一回転して背中から地面に激突した。 「はぁっ!」 優一はその顔面を思い切り踏み付けて粉砕する。それと同時に、ゴーレムの体内にあるエーテルを吸収する。 ゴーレムは文字通り土に還った。
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