地に潜む者②

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『て、てめぇ!!』 恐れを抱いたノームは千歳に向かって拳を振り下ろした。 喰らえば叩き潰されて命は無い。しかし、千歳は避けようとしなかった。 「無駄です」 かわりに万歳をするように両手を上げる。それと同時に、巨大な水の玉が生み出された。 震えるように揺れるそれは、スライムやゼリーと言ったものを彷彿とさせる。 『死ねやああああああっ!!』 その水の中に振り下ろされた拳が突入した。 『ぎゃああああああああああっ!!』 ノームの悲鳴が響き渡る。 どぷん、と音を立てて水から引き抜かれた腕は、三分の一ほどが無くなっていた。かわりに水の玉が茶色く染まる。 ノームの腕が、水に溶けたのだ。 『腕があああああ!俺の腕がああああああっ!!』 ノームは溶けた腕を押さえて後ずさる。 「あなたも土。水には敵いません」 千歳は水の玉を投げる。 すると、水の玉は空中で跡形もなく消滅した。 「しかし、あなたに用はない。私には、やるべきことがあるのです」 千歳はそのまま優一たちの方へ歩を進めた。
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