地に潜む者②

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「す、すげぇ……」 一連の流れを見ていた稔は驚きの声を上げた。 普段目立たなく、か弱そうな雰囲気のある少女が、土の精霊の腕を破壊したのだ。驚かないわけがない。 「すごいじゃない……」 操も同じ感想を抱いたようだ。目の前まで来た千歳をまじまじと見ている。 「はい」 千歳はにこりと笑った。 「一応、明神学園の生徒ですからね」 「なるほど……さすが……だな……」 皆の足元でうずくまっていた優一が、肩で大きく息をしながら言った。 「大丈夫……ではないですよね」 千歳はしゃがんで優一を見る。 「見ての通りだ……。すまない……くっ!」 優一は苦しそうに唸っている。 脂汗で髪を濡らし、顔も漂白剤に浸したような色をしている。 芳しくない容態なのは、火を見るよりも明らかだった。 「ごめんなさい。私のせいで……」 千歳は優一の手を握る。 その手は、氷のように冷たかった。
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